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私委任、私受任

被後見人 A

後見人  私

被相続人 X

相続人  A、B、C、D

 

法定相続どおりに相続登記申請のため、B、C、Dから私への委任状取得。

Aについては法定代理人として、B~Dについては資格者代理人として申請。

 

局から電話。

「B~Dについては問題ありませんが、Aさんの識別を先生の所に送るためには、後見人から資格者代理人に、つまり先生から先生への委任状を付けてください。」

 

まず、不動産登記規則62条2項によって、識別受領の委任を受けた代理人は識別の通知を受けることが可能です。これは司法書士が通常の登記業務でやっていることです(本件B~Dの分)。

一方、同条1項1号によって、法定代理人も通知を受けることができます。

後見人は法定代理人なので、後見人が識別の通知を受けることは問題なく可能です(本件Aの分)。

 

では、通知方法を送付と希望した場合はどうなるか。

 

あくまでも後見人として送付を希望すると、同規則63条4項1号により

「郵便事業株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名あて人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法」となります。

返信用レターパック+で事務所に送ってもらう方法は、これにあたりません。

 

レターパック+で送ってもらう方法は同条5項2号です。

同号は資格者代理人に送付する方法の規定です。

 

法定代理人は通知を受けることは可能ですがレターパック+で送付してもらう場合は資格者代理人の事務所じゃないとダメ。

なので、レターパック+で送付を希望した私は、資格者代理人(私)の事務所で受け取るべく、後見人(私)から司法書士(私)への委任状が必要になる。

 

私委任、私受任。