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読書

 

 本が好きなのかもしれません。

 本屋さんとか好きですし。

 決して文学少年だったわけではないのですが。

 最近読んだ本をいくつかご紹介します。

 

 「医療・看護に携わる人のための人権・倫理読本」 村岡潔・山本克司編著 法律文化社

 後見人としても、司法書士としても、学びがありました。

 PECモデル、Kアプローチ、Mアプローチ、SOL倫理、QOL倫理などが印象的でした。

 具体的な事例を挙げる際に引用されていたハワード・ブロディの「医の倫理」に興味を持ったので、古本で購入しました。医の倫理はまだ読んでいません。

 意思疎通が難しい被後見人さんの医療について、役に立つことを期待します。

 PECモデルは、患者ー医療者の関係を分類化したものですが、依頼者ー司法書士の関係にもあてはまる気がしました。

 

 「権利擁護と福祉実践活動」 平田厚 明石書店

 実践成年後見98号の特集「権利擁護と本人支援」を読んだ方が「権利擁護の意味がわからなくなった」という発言をされ、「権利」が何を指すのか自分もハッキリ説明できないことに気付き、考えるべくこの本を読みました。

 「権利擁護」を安易に「人権擁護」とするのは少し違います。(重なる部分もあると本では指摘されています)

 人権擁護は、公権力や社会権力による人権侵害から国民を保護するものです。

 そもそも同じ概念であるならば、素直に「人権擁護」と言えば済む話です。

 しかし「権利擁護」や「権利の擁護」という言葉は、実に様々な場所で多く使用されています。

 その明確な定義もないままに。

 難しく感じる部分もありましたが、勉強になりました。

 自己決定過程の支援、自己決定された権利の主張の支援、主張された権利の実現の支援、たたかうアドボカシー、ささえるアドボカシーなどが印象的でした。

 本の中に出てきたイギリスの意思能力法に興味を持ち「イギリス成年後見制度にみる自立支援の法理」(ミネルヴァ書房)を購入しました。これはまだ読んでいません。

 高齢者と障害者で自立支援の意味に違いがあるのではないかという指摘も興味深いです。

 

 「LISTEN」 ケイト・マーフィー 日経BP

 上の本と少し毛色が違いますが、人の話を聴くことについて書かれた本で、仕事に役立つと思い読みました。

 コミュニケーション能力というと「話す能力」に気が行ってしまいますが、これはタイトルどおり「聴く」ことこそ重要でありコミュニケーションに欠かせないというものです。

 帯には「『聞くこと』は最高の知性」とあります。

 司法書士の仕事をするうえで重要な能力と思います。

 相談者・依頼者に話をしてもらわないことには、何に困っているのか、希望は何なのか、何を期待して来られたのかがわかりません。

 その話を聴き間違えてはいけませんし、聴き洩らしてもいけません。

 言うは易し行うは難しですが・・。

 立たせるのは口ではなく耳であります。

 

 「デフ・ヴォイス 法廷通訳士」 丸山正樹 文藝春秋

 これはフィクションの推理小説であって、手話、家族、コーダ、障害、差別、犯罪、法をテーマにした現実世界の話だと感じました。

 読み始めたらグイグイ引き込まれ、一気に読み終わりました。

 手話が少しわかるので、なおさらでした。

 涙が出る場面もありました。

 フィクションなのかノンフィクションなのか、わからなくなったりもしました。

 現実にある話と思える部分があったり、現実にはないかなと思う部分もあったり。

 読後の最初の感想は「書いた人天才だな」でした。

 よくこういう物語を思いつくなと。

 そして、今朝知ったのですが、これには続編があるということで、さっそくポチ。

 電子書籍だからすぐ読めます。

 続編「龍の耳を君に」を読みます。

 

 以下は現在読書中。

 「新しい日本の法律家 弁護士と司法書士」 住吉博 テイハン

  ※昭和63年初版なので、まったく新しくありません

 「Q&A障害のある人に役立つ法律知識 よくある相談例と判例から考える」 藤岡毅 日本法令

 

 以下は待機中。

 「不動産登記の原理」 木茂鐡・木茂隆雄 法律文化社

 「司法書士訴訟の展望」 住吉博 テイハン

 「不動産物件変動と登記」 幾代通 一粒社

 「土地・建物間の法的構成」 三好登 成文堂

 「イギリス成年後見制度にみる自立支援の法理」 菅富美枝 ミネルヴァ書房

 「医の倫理」 ハワード・ブロディ 東京大学出版会

 「終活と相続・財産管理の法律相談」 平田厚 青林書院

 「龍の耳を君に」 丸山正樹 文藝春秋

 

 本が好きなのかもしれません。

 ホンとに。

 

 髙野