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伝える力


 高い文章作成能力が欲しいです。

 一度読んだだけでスッと頭に入る文章を、苦もなく書けるようになりたい。

 そういう文章に出会うと自分の書いた文章との違いを考えますが、明確な違いを言葉として表現することはできません。
 それでも明らかに違います。
 とても羨ましく感じます。

 何度も読まないと意味のわからない文章や、文章自体の意味はわかるけど真意とは違う意味に取られてしまう文章は、役に立ちません。
 仕事の場面では致命的です。

 私が、司法書士試験合格後、ブログを続けている理由の一つとして、「文章作成に慣れること」というものがあります。
 それまでのタクシー運転手の仕事では文章を作成する機会も少なく(ほぼなく)、文章を作成すること自体に慣れていませんでした。
 そればかりか、文章を読むこともほとんどありませんでした。

 しかし、司法書士試験合格後の新人研修で渡される資料や挙げられる参考書籍の量はとても多く、読むことでさえ苦労しました。
 実務についたあとは、関係各所に文章を送ることを避けて通れません。
 
 やり取りをしている相手から思わず唸るような文章が送られてくると、思わず唸ります。
 そして、緊張します。
 自分が試されているように感じます。
 試されると、応えたくなります。
 できるだけ高得点で応えたくなります。
 そこで、冒頭の願望につながります。
 
 文章作成能力が高ければ、場面に応じて、使い分けることもできます。
 例えば、文書作成能力が100あれば、場面に応じて、ここは50で、ここは80くらいで、ここは10でいいや、と使い分けることができます。
 しかし、能力以上の文章は作れないので、120の文章は作れません。
 自らの文書作成能力が高ければ高いほど、必要に応じて文章を操れます。

 問題はここからです。

 どうやってその能力を獲得するのか。

 これがわかりません。
 わかれば実践あるのみなんですけれど…。

 良いと思う文章を繰り返し読む。
 言葉に敏感になって国語辞典を引く。
 これくらいでしょうか。
  


 現在、文章作成時に私が気をつけているのは「リズム」です。
 長い文章を続けると、読み手の頭が疲れます。
 疲れると眠くなります。
 専門書でよく発生する現象です(弊所調べ)。

 そのため、私は長い文章を作らないように心がけています。
 どうしても長い文章になる時は、それが続かないようにしています。
 読み手にスイスイ読んでもらえれば、こちらの意図することが伝わりやすいと思います(弊所願望)。
 そのためのリズムです。

 五七五
 五七五七七
 三三七
 漫才の間
 落語の間
 心地よいものにはリズムがあると思います。
 手話の先生も、間を意識して使えると読み取る方は理解しやすい、と仰っていました。
 
 

 日本語が正しく、語彙も豊富で、リズムよく、読み手が一読すれば理解できる文章。
 そのような文章を作り続けていきたいものです。