再開いたします。
本日は、法務局における遺言書の保管等に関する法律の最後です。
最後に残ったのは第18条、1つだけです。
(政令への委任)
第十八条 この法律に定めるもののほか、遺言書保管所における遺言書の保管及び情報の管理に関し必要な事項は、政令で定める。
どうですか皆さん。
この潔さ。
もうあとは政令に書くから!
ですって。
ということで、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」を全部確認したいま、やるべきことは「法務局における遺言書の保管等に関する政令」の確認です。全部で16条ありますが、独断と偏見で確認したほうがいいと思われる条文だけ確認します。
法務局における遺言書の保管等に関する政令
(趣旨)
第一条 この政令は、法務局における遺言書の保管等に関する法律(以下「法」という。)の規定による遺言書の保管及び情報の管理に関し必要な事項を定めるものとする。
はい、法18条を受けての見事なバトンリレー。
日本のお家芸。アンダーハンドパス。
あとは任せろと言わんばかりの条文ですね。
(遺言書の保管の申請の却下)
第二条 遺言書保管官は、次の各号のいずれかに該当する場合には、理由を付した決定で、法第四条第一項の申請を却下しなければならない。
一 当該申請が遺言者以外の者によるものであるとき、又は申請人が遺言者であることの証明がないとき。
二 当該申請に係る遺言書が、法第一条に規定する遺言書でないとき、又は法第四条第二項に規定する様式に従って作成した無封のものでないとき。
三 当該申請が法第四条第三項に規定する遺言書保管官に対してされたものでないとき。
四 申請書が法第四条第四項に定めるところにより提出されなかったとき。
五 申請書に法第四条第五項に規定する書類を添付しないとき。
六 法第四条第六項の規定に違反して、遺言者が出頭しないとき。
七 申請書又はその添付書類の記載が当該申請書の添付書類又は当該申請に係る遺言書の記載と抵触するとき。
八 法第十二条第一項の手数料を納付しないとき。
いわゆる却下事由です。
・遺言者以外の者が申請したとき
・申請人が遺言者であることの証明がないとき
・自筆証書遺言じゃないとき
・封がしてあるとき
・管轄が違うとき
・申請書に必要事項が書かれていないとき
・本籍地入りの住民票などを添付しないとき
・遺言者が出頭しないとき
・書類間の記載に齟齬ああるとき
・手数料を納付しないとき
(遺言者の住所等の変更の届出)
第三条 遺言者は、法第四条第一項の申請に係る遺言書が遺言書保管所に保管されている場合において、同条第四項第二号又は第三号に掲げる事項に変更が生じたときは、速やかに、その旨を遺言書保管官に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出は、同項の遺言書が保管されている遺言書保管所(次条第二項において「特定遺言書保管所」という。)以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
3 第一項の規定による届出をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、変更が生じた事項を記載した届出書に法務省令で定める書類を添付して、遺言書保管官に提出しなければならない。
遺言者は、次の事項に変更が生じたときは届け出なければなりません。
・遺言者の、氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
・受遺者の、氏名又は名称及び住所
・遺言執行者の、氏名又は名称及び住所
その届出は遺言書が保管されている遺言書保管所以外の遺言書保管所の保管官に対してもすることができます。(2項)
省令
(遺言者の住所等の変更の届出の方式)
第二十八条 令第三条第三項(第三十条第二項において準用する場合を含む。)の届出書は、別記第六号様式によるものとする。
2 前項の届出書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 法第四条第四項第二号に掲げる事項
二 法定代理人によって届出をするときは、当該法定代理人の氏名又は名称及び住所並びに法定代理人が法人であるときはその代表者の氏名
三 届出人又は法定代理人の電話番号その他の連絡先
四 令第三条第一項の変更が生じた事項
五 届出の年月日
六 遺言書保管所の表示
別記第六号様式↓
省令
(遺言者の住所等の変更の届出書の添付書類)
第二十九条 令第三条第三項(次条第二項において準用する場合を含む。)の法務省令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
一 変更が生じた法第四条第四項第二号に掲げる事項(次条第二項において準用する場合にあっては、変更が生じた第十一条第一号に掲げる事項)を証明する書類
二 届出人の氏名及び出生の年月日又は住所と同一の氏名及び出生の年月日又は住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該届出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)
三 法定代理人によって届出をするときは、戸籍謄本その他その資格を証明する書類で作成後三月以内のもの
実は、他に頻繁に使いそうな政令はあまりありません。(すでに触れている政令は省略しています)
で、政令の最後の条文が次のとおりになります。
(法務省令への委任)
第十六条 この政令の実施のため必要な事項は、法務省令で定める。
あとは省令に書くからよろしく!
ってどこかで見た構造。
そして、省令の最初は
(遺言書等の持出禁止)
第一条 法務局における遺言書の保管等に関する法律(以下「法」という。)第四条第一項の申請に係る遺言書、申請書等(法務局における遺言書の保管等に関する政令(以下「令」という。)第十条第一項に規定する申請書等をいう。以下同じ。)、撤回書等(同条第二項に規定する撤回書等をいう。以下同じ。)及び遺言書保管ファイルは、事変を避けるためにする場合を除き、遺言書保管所外に持ち出してはならない。ただし、遺言書、申請書等及び撤回書等については、裁判所の命令又は嘱託があったときは、この限りでない。
そこは「趣旨」じゃないんかーい。
ということで、明日以降もしばしのお付き合いを。
省令にいいこと書いてあるんですよ。
原本還付できるの?
とか
同一添付書類は省略できるの?
とか
誰もが気になる現場目線のことが。
楽しみですね~。
今日のポイントは「 住所とか変わったらどこの保管所でもいいから届出をしてね! 」です。