法務局における遺言書の保管等に関する法律⑥

 

 おはようございます。

 第6回です。

 今日は何条いけるのでしょうか。

 昨日は9条だけでしたから、2つ3つ行きたいところですね。

 それでは。

 

 

(遺言書保管事実証明書の交付)

第十条  何人も、遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無並びに当該関係遺言書が保管されている場合には遺言書保管ファイルに記録されている第七条第二項第二号(第四条第四項第一号に係る部分に限る。)及び第四号に掲げる事項を証明した書面(第十二条第一項第三号において「遺言書保管事実証明書」という。)の交付を請求することができる。

2 前条第二項及び第四項の規定は、前項の請求について準用する。

 

 ・誰でも遺言書保管事実証明書の交付を請求することができる。

 ・遺言書保管事実証明書では、関係遺言書の保管の有無、遺言書に記載されている作成の年月日(これが法4条4項一号部分)、遺言書が保管されている遺言書保管所の名称及び保管番号(これが法7条2項二号部分)が証明される。

 ・全国どこの遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。

 ・法務省令で定めるところにより、その旨を記載した請求書に法務省令で定める書類を添付して、遺言書保管官に提出しなければならない。

  請求書↓


 

 ・あくまでも、遺言者の死亡後の手続きである ← 法務省令44条一号によって「遺言者が死亡したことを証する書類」が添付書類として挙げられている。

 ・証明されるのは「関係遺言書」の保管の有無であるため、例えば、①Xの遺言書が保管されていない場合②Xの遺言書が保管されてはいるが請求者が関係相続人等でない場合、には、保管されていない旨の証明書が交付されることになる(『一問一答 新しい相続法』p219)。

  反対の視点で言うと、保管されていない旨の証明書を受け取ったとしても、遺言書自体は保管されている可能性があるため、「Xの遺言書はない」とするのは不正確で、「自分に関係するXの遺言書はない」としなくてはいけないことになる。

 

 

 

(遺言書の検認の適用除外)

第十一条 民法第千四条第一項の規定は、遺言書保管所に保管されている遺言書については、適用しない。

 

 これは、この制度の最大の特徴と言っても過言ではありませんね!

 検認を不要とするための規定。

 特に触れるべきことはないと思います。

 

 

 

手数料)

第十二条  次の各号に掲げる者は、物価の状況のほか、当該各号に定める事務に要する実費を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

 一 遺言書の保管の申請をする者 遺言書の保管及び遺言書に係る情報の管理に関する事務

 二 遺言書の閲覧を請求する者 遺言書の閲覧及びそのための体制の整備に関する事務

 三 遺言書情報証明書又は遺言書保管事実証明書の交付を請求する者 遺言書情報証明書又は遺言書保管事実証明書の交付及びそのための体制の整備に関する事務

2 前項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない

 

 ・手数料の納付は、収入印紙です。現金の振り込み等を指示する電話や書面は、詐欺の可能性があります。また、収入印紙を送るということもありません。お気を付けください。

 ・法務局における遺言書の保管等に関する法律関係手数料令によって以下のとおりとされています。↓法務省HPから

 

 こちらがパンフレット↓

 

 パンフレットで気になるのは、請求できる者が限られているように書かれているところですね。考えてみれば「私は全く関係ないけれど請求したい」ということは考えにくく、相続人ではないものの請求したい場合というのは、「故人が生前に私に財産をくれると言ってたから」というような場合が想定され、そのような場合は「受遺者等」として請求することになるのでしょう。

 この点について、請求書の方を確認すると、最初のチェック項目が「相続人」か「相続人以外」の2つなので、結局は法律の条文どおり「何人も」請求できると解してよさそうです。パンフレットの右下においても、相続人以外で保管されていないケースの認証文が掲げられています。 

 

 

 いかがでしたでしょうか。

 今日は短めでしたね。

 

 今日のポイントは「 誰でも、日本全国すべての保管所のすべてのホカンカンに対して、自分に関係があると思われる、死亡した遺言者○○○○の遺言があるかどうかの証明書(遺言書保管事実証明書)の交付を請求できる! 」です。

 

 早く、遺言書保管事実証明書のひな型も見たいですね。

 

 では、また明日!