法務局における遺言書の保管等に関する法律④

 

 

 おはようございます。

 4日目になりました。

 今回は、何の話でしょうか。

 

 神回になるように頑張ります。

 

 

(遺言書に係る情報の管理)

第七条 遺言書保管官は、前条第一項の規定により保管する遺言書について、次項に定めるところにより、当該遺言書に係る情報の管理をしなければならない。

2 遺言書に係る情報の管理は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもって調製する遺言書保管ファイルに、次に掲げる事項を記録することによって行う。

一 遺言書の画像情報

二 第四条第四項第一号から第三号までに掲げる事項

三 遺言書の保管を開始した年月日

四 遺言書が保管されている遺言書保管所の名称及び保管番号

3 前条第五項の規定は、前項の規定による遺言書に係る情報の管理について準用する。この場合において、同条第五項中「廃棄する」とあるのは、「消去する」と読み替えるものとする。

 

 はい、この条文の主語はホカンカンです。

 遺言者側には直接の影響はなさそうですね。

 周辺知識、豆知識として頭に入れておきましょう。

 

 

(遺言書の保管の申請の撤回)

第八条 遺言者は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、いつでも、第四条第一項の申請を撤回することができる

2 前項の撤回をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨を記載した撤回書に法務省令で定める書類を添付して、遺言書保管官に提出しなければならない。

3 遺言者が第一項の撤回をするときは、特定遺言書保管所に自ら出頭して行わなければならない。この場合においては、第五条の規定を準用する。

4 遺言書保管官は、遺言者が第一項の撤回をしたときは、遅滞なく、当該遺言者に第六条第一項の規定により保管している遺言書を返還するとともに、前条第二項の規定により管理している当該遺言書に係る情報を消去しなければならない。

 

 【第四条第一項の申請を撤回することができる】

 一見すると、「申請」の撤回=取下げのようにも読めますが、意図するところは、「保管の撤回=遺言書の返却」です。

 

 【法務省令で定めるところにより】

 法務省令

 第二十五条  法第八条第二項の撤回書は、別記第五号様式によるものとする。

 2 前項の撤回書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 法第四条第四項第二号に掲げる事項及び第十一条第二号に掲げる事項

  二 撤回の年月日

  三 遺言書保管所の表示

 

 【別記第五号様式】

 現物をご確認ください ↓


 

 【撤回書に法務省令で定める書類を添付して】

 法務省令

 第二十六条  法第四条第四項第二号に掲げる事項に変更がある場合(令第三条第一項の規定により当該変更に係る届出がされている場合を除く。)における法第八条第二項の法務省令で定める書類は、当該変更を証明する書類とする。

 

 【法第四条第四項第二号に掲げる事項】

 遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)

 つまり、これらに変更があり、かつ、変更の届出がされていない場合は、変更の証明書類を添付せよ、ということですね。

 (出生の年月日は変更のしようがないか…。可能なら若返りたいけど…。)

 

 【第五条の規定】

 本人確認のことです。

 

 

 はい、今日は撤回のことを学びました。

 で、わかりやすいパンフレットが法務省のHPにありまして、こちらをご確認ください。↓

 いや、もう、最初からこれ載せればいいじゃん!!て話なんですけどね。

 でも、時間もあるし、条文にあたっておくのは理解が深まるということで。

 で、注目してほしいところがあるんです!!

 

 上から3行目というか4行目?の赤字部分

 

 「 ※保管の申請の撤回は、遺言の効力とは関係がありません。 」

 

 当たり前と言われれば当たり前かもしれませんが、要注意です!!

 

 民法には「遺言の撤回」という条文があります。

 第千二十二条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

 

 この民法の撤回と、本日の撤回は、違う話です。

 本日の撤回は、「保管しておくことの撤回」に過ぎず、遺言自体を撤回しているわけではありません。

 

 そのことが、注意的に、赤字で、パンフレットに書かれていることになります。

 

 こんなケースが考えられます。

 遺言を書いて遺言書保管所に預けておいた太郎さん。

 遺言の内容と気持ちが変わったので、書き直そうと思い、保管を撤回して返却してもらいました。

 しかし、新しい遺言を作成る前に、太郎さんは死亡しました。

 太郎さんは、返却された遺言書を破棄しておらず、相続人がその遺言書を発見して…。

 

 

 自筆証書遺言書の保管場所を自宅にするか遺言書保管所(法務局)にするかの違いは、家裁の検認の要否、紛失の危険性の大小の違い程度の話であって、遺言の効力に影響はありません。

 

 

 間違えないようにしたいですね。

 

 

 

 いかがでしたでしょうか。

 

 今日のポイントは「 遺言の保管はいつでも撤回できる! 」 です。

 

 

 そしてお気づきになられた方もあろうかと思いますが、

 

 今回は神回

 

 

 ではなく撤回でした。

 

 fin