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相続登記

 

 相続が発生したら相続登記をしてください。

 

 相続登記とは俗称で、正確に言うと、所有権移転登記といいます(対象不動産について被相続人が共有持分を持っていた場合は「○○○○持分全部移転登記」です)。

 

 

 上の図をご覧ください。

 

 右側の【被相続人】というのが、お亡くなりになった方を表します。

 被相続人が家や土地を所有していた場合、相続人が、その家や土地を相続します。

 (ここでは、遺言等の事情はないものとします。)

 

 図では、4人の相続人A,B,C,Dがいます。

 この4人の相続人は、【遺産分割協議】というものを行って、家や土地をもらう人(相続する人)を決めます。

 

 

 【遺産分割協議】

 ・相続人全員による話し合いです

 ・参加すべき相続人が参加していない遺産分割協議は無効とするのが通説で、同旨の判例もあります(東京地裁平成19年9月11日判決)

 ・分け方は自由で、何ももらわない人がいても問題ありません(ただし、本人の了解は必要です。また、相続放棄とは違う概念なので、その点も注意が必要です。)

 

 遺産分割協議の結果、不動産をもらう人が決まったら、その人は【登記申請】をします。

 

 

 【登記申請】

 ・本人申請で行うことも、代理申請で行うことも可能です

 ・代理人になれるのは、弁護士・司法書士だけです(実際は司法書士のほぼ独占)

 ・申請先は対象不動産を管轄している法務局です(管轄が違えば別に申請が必要)

 ・法律で定められた期限はありません(ただし、早くやるべき)

 ・原則、登録免許税という税金を登記申請の際に納付します(固定資産評価額の0.4%)

 

 

 代理申請を選択される場合は、依頼した司法書士に対し、登記申請書類の作成はもちろん、遺産分割協議書や相続関係説明図の作成、戸籍等必要書類の収集も委任できます。(お任せください!)

 

 

 相続登記の注意点は「期限がない」ことです。(相続税の申告とは違う点です)

 

 期限がないため、ついつい後回しになってしまい、その結果、次の相続が発生してしまうことがあります。

 そのような場合でも申請は可能なのですが、相続の回数を重ねれば重ねるほど相続人の数は増加する可能性が極めて高く、相続人の数が増加すればするほど全員での合意が難しくなってしまいます。なかには、相続人の中に行方不明の者がいるというようなケースも考えられます。また、相続登記をまったくしないまま次から次へと相続が発生すると、いわゆる「所有者不明土地」となってしまう可能性も出てきます。

 

 したがいまして、相続登記に法的な期限はありませんが、相続が発生したら速やかに実行することをお勧めします。

 

 

 と、言いましても、相続発生直後の悲しみの中、真っ先にするようなものではないと思います。

 

 少し落ち着いたころ(数か月後?)、ご一考になられてはいかがでしょうか。