家事事件

 

 連合会事務局及び東京会事務局は新型コロナウイルスの影響を受けて一週間閉鎖するという衝撃的なニュースが飛び込んでまいりました。いよいよ近づいてきた感じです。

 

 大袈裟でもなんでもなく、自らを無症状の感染者として認識するべきでしょう。

 今は我慢の時です。

 

 外出をしないとなると、読書の時間も増えます。

 今まで読みたかった本、調べたかったこと、インプットのいい時間です。

 

 

 ということで、私は家事事件の本を読んでいます。

 

【家事事件】

 家事事件には、別表第一事件、別表第二事件という大まかな枠組みがあります。

 他にも、合意に相当する審判事件や調停に代わる審判事件、調停事件などがありますが、これらの事件は司法書士として関わる機会はまずないと思います。

 

 では、別表第一事件、第二事件はどうかというと、別表第一事件には関わることがあると思いますが、別表第二事件には、やはり関わらないことが多いでしょう。

 

 そもそも別表というものは家事事件手続法の末尾にあるもので、別表第一事件は136の事件に分類され、別表第二事件は17の事件に分類されています。

 

【別表第一事件と第二事件】

 第一事件と第二事件の大きな違いは、対立当事者の存在です。

 第一事件には対立当事者が存在せず、第二事件には対立当事者が存在します。

 

 第一事件については、対立当事者がいないため、調停が用意されていません。

 一方、第二事件については、対立当事者いるので、調停が用意されています。(家事244条1項)

 いきなり調停の申立ても可能ですし、審判の申立てに対して、裁判所が調停に付すこともできます。

 いわゆる付調停(ふちょうてい)です。(家事274条1項)

 

 第一事件の例は、後見開始、子の氏の変更、相続放棄が挙げられます。

 第二事件の例は、婚姻費用の分担に関する処分、養育費請求、親権者指定、遺産分割などです。

 

【事件数】

 平成30年の新受件数は、第一事件が86万3916件で、第二事件が1万9085件でした。

 

【司法書士として】

 端的に申し上げれば、第一事件は、司法書士向きのような気がします。

 理由は、対相手の裁判業務ではなく、対官庁の登記申請に近いと思うからです。

 

 司法書士は、常日頃、法務局を相手にし、一文字も間違えがないような登記申請書類の作成に心血を注いでいます。(たぶん)

 齋藤?斎藤?斉藤?齊藤?渡辺?渡邉?渡邊?

 

 はたから見れば、滑稽に映るかもしれません。

 しかし、その一文字が命取り!その見落としが命取り!

 というような業務なのです。

 

 第一事件は対立当事者がいないので、相手の主張、戦略を考える必要がありません。

 考えなくてはいけないのは、要件が揃っているかどうか、書類がそろうかどうか。まさに司法書士向きな業務だと思います。

 現に、後見開始の申立書類作成、相続放棄の申述書類作成などは、多くの司法書士が手掛けているのではないでしょうか。

 

 

【結び】

 研修が充実している斯界ではありますが、家事事件の研修が充実しているかと言えば、そうは言いきれないと思います。

 しかし、後見開始や相続放棄などで業務を行っています。

 実際に、限定承認を多く手掛けている司法書士法人なんかも存在します。(ABCさん)


 家事系司法書士。

 悪くないかもしれません。