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司法書士と死

 

 後見業務で「死」の話は免れない。

 

 原則として、本人又は後見人等の死亡まで続くものだからである。

 

 これまでも何人かお見送りをした。

 

 火葬場で私一人もあった。

 

 親族とともに送ったこともある。

 

 友人だけが集まってくれたこともある。

 

 本人が信じていた宗教の方式で送ったこともある。

 

 別れは気持ちのいいものではないが、忌み嫌うほどのものでもない。

 

 ご本人が安らかな顔であれば、幾ばくかの安堵も覚える。

 

 本人とあまり仲がよくなかった方が流した涙にやさしさを感じる。

 

 火葬場職員による収骨時の喉仏の話を(いったい何回目だろうか)と思いながら、骨を拾う。

 

 

 

 考えてみれば司法書士は死に関わることが多い。

 

 相続登記、相続放棄、遺産承継、遺言、死後事務委任契約、成年後見・・・

 

 自分なりの死生観をしっかりと持ちたい。

 

 死が発生した場面、死に備える場面、死に直面する場面。

 

 司法書士として・・・と同時に人として、自らも死を免れない存在として、どう振舞えるだろうか。