おはようございます。
本日は、よくある質問(※)Q56です。
※東京家裁の後見サイトに掲載されています。
Q59 後見人等に候補者以外の方が選任されたり,監督人が選任されたりするのはどのような場合ですか。
→ 次のいずれかに該当する場合は,候補者以外の方を後見人等に選任したり,監督人を選任したりする可能性があります。
(1) 親族間に意見の対立がある場合
(2) 流動資産の額や種類が多い場合
(3) 不動産の売買が予定されているなど,申立ての動機となった課題が重要な法律行為を含んでいる場合
(4) 遺産分割協議など後見人等と本人との間で利益相反する行為について,監督人に本人の代理をしてもらう必要がある場合
(5) 後見人等候補者と本人との間に高額な貸借や立替金があり,その清算 の可否等について第三者による調査,確認を要すると判断された場合
(6) 従前,後見人等候補者と本人との関係が疎遠であった場合
(7) 年間の収入額及び支出額が過大であったり,年によって収支に大きな変動が見込まれたりなど,第三者による収支の管理を要すると判断された場合
(8) 後見人等候補者と本人との生活費等が十分に分離されていない場合
(9) 申立時に提出された財産目録や収支状況報告書の記載が十分でないなどから,後見人等としての適格性を見極める必要があると判断された場合
(10) 後見人等候補者が後見事務に自信がなかったり,相談できる者を希望したりした場合
(11) 後見人等候補者が自己もしくは自己の親族のために本人の財産を利用 (担保提供を含む。)し,または利用する予定がある場合
(12) 後見人等候補者が,本人の財産の運用 (投資等)を目的として申し立てている場合
(13) 後見人等候補者が健康上の問題や多忙などで適正な後見等の事務を行えない,または行うことが難しいと判断された場合
(14) 本人について,訴訟 ・調停 ・債務整理等の法的手続を予定している場合
(15) 本人の財産状況が不明確であり,専門職による調査を要すると判断された場合
* 上記(1)から(15)までに該当しない場合でも,裁判所の判断により後見人候補者以外の方を後見人等に選任したり,候補者を後見人等に選任した上で監督人を選任したりする場合があります。
この質問は、よく受けます。
「・・・というケースで親族は後見人に選ばれますか?」
まず、前提として、後見人の選任は裁判官による審判なので、単なる司法書士の私が「それは認められる」「それは認められない」と断定的に言えない、ということがあります。極端な言い方をすれば、同じ案件でも裁判官によって結論が違うかもしれませんし。私の立場では「認められる可能性があると思う」や「難しいのではないか」程度のことしか言えないのです。
それを踏まえたうえで、親族が候補者となった場合の選任可能性ですが、上記質問の回答が参考になります。
親族の同意について
親族間の対立がある状況で、家裁が親族の1人に対して法定代理権を認めることは考えにくいです。そのため、親族を後見人候補者とする申立において他の親族(推定相続人)の同意書が欠けている場合は、候補者以外の人間が選ばれる可能性が高いと思います。もっとも、同意書がない理由について裁判官がその後の紛争に関係ないものと判断すれば、認められる可能性があるのかもしれません。
(2)~(5)その他
親族間に争いが無くても専門職が就いてしまう可能性が高いケースです。
しかし、複数後見で回避できるかもしれません。弊所にご相談ください。
本人及びご親族と、後見人は、長いお付き合いになります。
しっかりと、相談・検討・計画をしてからのご利用をお勧めします。
疑問や不安は弊所にお気軽にお問い合わせください。
髙野守道