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よくある質問Q31

 

 おはようございます。

 

 本日は、よくある質問(※)Q31です。

 ※東京家裁後見サイトに掲載されているものです。

 

 

 Q31 後見相当と診断された本人でも後見開始の審判の申立てができるでしょうか。

 → 申立てに必要な意思能力を備えているものと認められた場合は,申立てをすることができますが,裁判所がそのような意思能力はないと判断した場合は,申立てが却下されることになります。

 

 

 いわゆる「後見の本人申立」です。

 

 事理弁識能力を欠く人が申立可能なのか?

 ということです。

 

 結論から言えば、申立てることは「可能」です。

 申立は可能だけど認容されるかどうかはわからない、というほうが正確かもしれません。

 

 私は実際に経験があります。

 経験のある先輩に話を伺って書類を作成しました。

 

 問題は、申立の「意思能力」があるか否かでしょう。

 行為能力に疑問があっても意思能力があれば可能。

 家裁もそのように判断しているようです(上記の回答)。

 

 ということは、例えば、いわゆる植物状態の方の本人申立は、難しいと言わざるを得ないでしょう。

 意思能力があるとは言えないと思います。

 

 一方、なんらかの手段で「この人に財産を管理してもらう」「後見人になってもらう」という意思表示ができれば、意思能力ありと言ってもいいかもしれません。

 私の経験では、しゃべれないご本人に、指差しシートで意思を示してもらったことがあります。

 

 身近な親族がいないため申立人の確保が難しく、かと言って区長申立につなげても時間がかかってしまい、課題解決が先送りされるだけ、本人には意思能力がある、という状況であれば、診断が後見相当であっても本人申立を検討してもいいと思います。

 

 診断が保佐や補助相当であれば、本人申立に躊躇はありません。

 

 

 

 髙野守道