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よくある質問Q28,Q29

 

 おはようございます。

 

 今日は、よくある質問(※)Q28とQ29について書きます。

 ※東京家裁の後見サイトに掲載されているものです

 

 

 Q28 子(甲)連れの夫(A )と結婚した妻( 乙) がいましたが,A が死亡し,乙は後見状態にあります。甲と乙は養子縁組していませんが,甲は,乙のために後見開始の審判の申立てができますか。

 → 乙は甲との関係で四親等内の親族に当たりますので,申立てができます。

 

 Q29 子(甲)連れの夫(A )と結婚した妻( 乙) がいましたが,A と乙は離婚し,乙は後見状態にあります。甲と乙は養子縁組していませんが, 甲は, 乙のために後見開始の審判の申立てができますか。

 → Aと乙の離婚により,甲と乙の姻族関係が終了しますので,乙は甲との関係で親族に当たらず,申立てをすることはできません。

 

 

 後見等開始の申立をすることができる人は、民法7条,11条,15条に規定があります。そのなかで親族は、「4親等内の親族」に限定されています。

 

 まず、「親族」とは、「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」をいいます(民法725条)。

 

 これらのうち、「4親等内までの親族」が後見等開始の申立権があることになります。

 

 つまり、親族のうち、「配偶者」と「3親等内の姻族」は「4親等内の親族」ですから当然に申立権を持ち、さらに、血族関係のうち4親等内までの者も申立権を持つ、ということです。

 

 では、4親等とはどのあたりの関係を言うのでしょうか。

 

 親・・・1親等

 兄弟姉妹・・・2親等

 おじおば・・・3親等

 いとこ・・・4親等

 

 子・・・1親等

 孫・・・2親等

 ひ孫・・・3親等

 玄孫・・・4親等

 

 いとこや玄孫が4親等の血族にあたります。ちなみに、いとこや玄孫の配偶者は、「4親等の姻族」ですから、親族ではありません。

 

 「親等」の考え方がわかりにくい方は、家系図を書いて、自分からその人までの「線の数」を数えれば親等がわかります。

 

 親子間の線は1本なので、1親等。

 

 兄弟姉妹間は直接線がつながらず、1度親に上る線で1親等、親から兄弟姉妹に降りる線で1親等、と考えて、2親等。

 

 兄弟姉妹に子供(甥や姪)がいれば、線が1本増えて、3親等。

 

 いとこ間は、親までで1親等、祖父母までで2親等、おじおばまでで3親等、いとこはおじおばの子なので4親等です。

 

 姻族は、単純に親等を考えればいいので、兄弟姉妹の配偶者は「2親等の姻族」、甥や姪の配偶者は「3親等の姻族」、いとこの配偶者は「4親等の姻族」になります。

 

 

 

 後見の相談を受けると、「申立権者」という小さいけど確実に存在するハードルにつまずいてしまうことがあります。

 「で、誰が申立人になりますか?」

 「え?」

 なんて。

 

 わからなければ専門家にご相談ください。

 

 

 髙野守道