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同じ空の下、同じ時間

 

 3人の人間がいて

 

 3人とも課題を抱えていて

 

 そのうちの2人の後見人になっていて

 

 これまでは3人そろえる状況になく

 

 最近3人そろえる状況になったから

 

 月に1回あるかどうかの3人そろう日に

 

 私も同席させてもらったのだけれど

 

 そのうちの2人がもう1人のために涙をたくさん流すもんだから

 

 思わず涙が出そうになって

 

 あわてて「俺は後見人、後ろで見守る人。感情移入するな。」と

 

 自分に言い聞かせた。

 

 

 それでも

 

 「好きな洋ナシを食べさせてやりたい」って泣いて

 

 「苦しむかどうかだけが…」って泣くから

 

 医師も何か感じているようだったし

 

 自分のことよりもう1人のことを全力で考える2人を見て

 

 辛いけど、全員課題があるけど、確かに、ここに

 

 愛がある

 

 って感じた。

 

 

 ずっと、3人で、こんな感じで生きてきたんだろうなと思い

 

 ちょっとした縁でこの家族に関わらせてもらって

 

 みんな大変だけど

 

 後見人をやらせてもらって、よかったと思った。

 

 

 

 面会を終え、病院を出たら、10月下旬とは思えない陽射しだった。

 

 ガソリンスタンドの兄ちゃんは給油し、ファミレスの中は楽しそうにしゃべっていた。

 

 同じ空の下、同じ時間。

 

 それぞれの日常。

 

 神様は不公平、なんて子供みたいなことは考えず、

 

 この家族にとって、3人そろうことが日常になればいいなと思った。

 

 

 そして、俺が後見人でよかったのか考えた。