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幸せを感じる時間


 少し前、世界の幸福度ランキングが発表され、我が国があまり高い順位ではないことが、ニュースになっていた。

 幸福度なるものは客観的に決められるものではなく、自分がどう感じるか、ただそれだけである。

 ということは、このランキングは、日本人が客観的に幸福度が低いのではなく、自分が幸福であると感じることの下手な民族である、ということを示していると言えるだろう。

 日本人は、もっと自分の幸せを素直に感じ、素直に喜んでいいのかもしれない。ほほを撫でる心地よい風、名もなき小さな花、家族や友人の存在、三度の食事、雨風をしのぐ家、興味をそそられる事、面白い話、選べる服、迷うオシャレ、任される仕事、手にしたお金、自分を頼る存在、ペット、好きな音楽、好きな絵…。

 きっと、幸せは、そこら中にあふれている。

 生きているということは、失うことじゃない。
 幸せを感じることだ。幸せを感じてほしい。
 すべての人間は、有限の時間という点で平等だ。
 仮に、その時間が短くともその時間の多くで幸せを感じられた人と、その時間が長くともその時間の多くで幸せに気が付かなかった人では、前者の方が幸せと言えるのではないだろうか。

 幸せは、そこら中にあふれている。

 だから

 だから、あなたの時間の多くが、あなたにとって幸せを多く感じられる時間であってほしいと思う。多くの幸せに気が付いてほしいと思う。一つでも多くの喜びを感じてほしい。

 人生は、何かを失う時間、何かが足りないことを嘆く時間ではなく、何かを手に入れる時間、何かが有ることに喜びを感じる時間のはずだ。


 だから

 病気なんかにまけるな。
 まけないでほしい。
 世の中には、病気に勝つ人間がいる。

 その1人だと信じている。